古謡を訪ねる琉球への旅と極私的な原風景とを重ねて随想
年明に創作フィールドワークのため沖縄の島を巡った。与那国島で明け方の散策中、沖縄方面に出自を持つ二人の幼友達との思い出がふと甦ってきた。1980年代半ばの小学生時代の友だ。その後の旅中では、彼らの記憶と目の前の景色とが、2枚の薄い透布のように、風に揺れて重なっていた。
与那国では、何かを懐かしがる胸の奥底を感じた。那覇の公設市場でも、南城の御嶽でも、石垣でもなく、その地でYとNのことを思い出したのはそれ故だろう。その極私的な原点への追想と併せ、旅の報告を記したい。
【序章】 東アジア海洋文明への眼差し
はじめに〜新作ユーラシアンオペラに向けて
第一章【沖縄本島篇】
1.御嶽を訪ねて-沖縄と済州島 2.海岸で遭ったユタ 3.私のシャマニズム 4.霊性を求めず 5.原風景-私と沖縄
第二章【与那国島篇】
1.日本最西端の島どぅなん 2.古謡を求めて〜3.「死者の都」の葬礼歌
第三章【極私的原風景 1980埼玉】
1.与那国の朝・精霊の記憶 2.Yの場合 3.Nの場合 4.西表を眺めながら
第四章【石垣島篇】
1. 八重山に聴く 2.三世代の歌
【終章】精霊と子どもたち
慰霊塔にて〜精霊と子どもたち〜来訪神と守り神
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