書評「ユーラシアの歌」

 拙著「ユーラシアの歌 原郷と異郷の旅」の書評。金野Onnyk吉晃さんによる、レポートの後編です。

 

「異郷を求めて原郷から旅立てば、異郷のなかに原郷を見いだす。そしてまた原郷のなかに異郷の人々が居る。異郷と原郷は互いに無限にマトリョーシカの入れ子になっている。その内奥から言葉にならない声が聞こえて来る。そしてユーラシアンオペラは、オーファン(捨て子)のポリフォニーである。 」

 

JAZZ TOKYO 4月号より。 

前編はこちら

 

「400ページにも亘り、しかも二段組みで、写真も満載だ。丁寧に各項目、人物などの索引までついている。なによりもこの本は、その厚みにもかかわらず、軽くて、持ちやすくて、文章が読みやすい。だが、内容の濃さといったらかなりのものだ。索引のおよそ1500以上の項目を読むだけで「ユーラシア音楽・文学・民俗事典」とでも言える程の。彼の探求に影響した書籍の紹介もあれば、自身の関わった表現者たちへの言及も、彼等の生い立ちから現在まで詳細に、数ページずつ割かれている。そこには生者も死者も含まれる。現在、ネット上にある関連情報はQRコードで読み取れるようになっている。この一書がそのままユーラシア文芸手引書なのだ。」

 

昨年の音楽詩劇研究所の盛岡公演のことと重ねながら書いてくださいました。こんなにも正確に、そして私が考えるよりも深く解釈してくださり感激です。ぜひ、前編とあわせてお読みいただければ幸いです。

 

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